美味しんぼの「おせちと花嫁」の回が好きという人は多いですよね。なんかいい感じの回ですから。
簡単にどういったストーリーかというと、横綱若吉葉もそろそろ嫁さんをということになり、親方が最終的に3人ほどの花嫁候補を絞りました。
その3人から奥さんを絞るために、おせち料理を作らせて決めようということになります。
で、3人の花嫁候補がおせちを作ってきて、それはもう豪華なものですが家庭の味じゃなく金さえ出せば食べられる味とのことです。
最終的に横綱にどのおせちが1番美味しかったか聞くと、横綱の部屋で働いているすみ子さんが作った黒豆が1番美味しいとのこと。
で「地味な料理だけど、こんなに美味しく豆を煮ることのできる女の人こそ、俺は嫁さんに欲しいと思います。」と言って、最終的に横綱はすみ子さんと結婚することになるというものです。
良い話ですよね。おせちの豆によって、こんな豆の煮方ができる女性ということを選ぶなんて。どんなに豪華なおせち料理よりも黒豆で決まったわけですから。
黒豆っておせち料理の脇役的な感じがしないでもないですが、豆を綺麗に煮るのってかなり難しいみたいですよ。黒豆だけでもかなり手間暇のかかるおせち料理ですから、やはりなかなか家で作るのっていうのは難しいですね。
美味しんぼ10巻の第5話に収録されています。
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https://www.cmoa.jp/title/56854/vol/10/
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「美味しんぼ」のエピソード「おせちと花嫁」は、原作・雁屋哲、作画・花咲アキラによるこのグルメ漫画の中でも特に印象深いエピソードの一つです。この話は、伝統的な日本の食文化であるおせち料理をテーマにしながら、結婚と家族の絆について深く描写しています。
物語は、主人公・山岡士郎と同僚の栗田ゆう子が、おせち料理を巡ってある新婚夫婦とその家族の問題に関わるところから始まります。夫婦は、結婚後の正月を迎えるにあたり、どちらの家のおせち料理を基準にするかで揉めており、夫の家(旧家)の伝統的なやり方に従うべきか、現代風の簡略化されたおせちを作るべきかで対立していました。
日本では、おせち料理は正月に欠かせない祝いの食事です。家族が一緒に準備し、一年の無事を感謝しながら、新しい年を迎えるための儀式的な意味も含まれています。このエピソードでは、おせち料理が単なる料理ではなく、家族の絆や伝統を象徴するものとして描かれています。
特に注目すべきは、旧家のしきたりと現代的な価値観の対立です。物語では、家族間で受け継がれるおせちのレシピや方法を守ることが重要視されている一方で、若い世代の夫婦はその伝統に縛られすぎず、合理的かつ簡素化された現代の生活に合った形に変えたいという希望を持っています。このテーマは、現代社会において、家族の伝統と新しい価値観の間でどのように折り合いをつけるべきかという普遍的な問題を反映しています。
主人公の山岡士郎は、グルメ批評家としてだけでなく、家族の問題や人間関係の調停者としても活躍します。このエピソードでは、山岡が両家の価値観を尊重しながらも、どのようにしてお互いの意見を調和させるかを提案します。彼の解決策は、伝統を重んじつつも、無理に過去の方法を押し付けるのではなく、両者が納得できる形でおせち料理を現代風にアレンジするというものです。これによって、夫婦の間に平和をもたらし、同時に家族全体の絆を強める結果となります。
「おせちと花嫁」は、伝統的な日本の家庭内での役割分担やしきたり、特に女性が担うことの多い正月料理の準備に焦点を当てています。おせち料理は、元来、女性が家族のために手間をかけて準備するものであり、それ自体が家庭の中での女性の存在感や役割を象徴しています。しかし、時代の変化とともに、こうした役割や期待も変わりつつあり、このエピソードではその変化と伝統の調和をテーマにして描かれています。
また、おせち料理の種類や意味についてもこのエピソードで触れられており、例えば黒豆は「健康と誠実」、数の子は「子孫繁栄」、伊達巻は「知恵」を象徴しています。これらの料理は単なる食べ物以上の意味を持ち、家族や未来への願いが込められていることが強調されます。
このエピソードは、「伝統と革新のバランス」を探る重要性を描いています。家族や夫婦の間で起こる対立は、必ずしもどちらか一方の意見を押し通すことで解決するわけではありません。むしろ、両者の意見を尊重し、対話を通じて新たな形を見つけることが重要です。このメッセージは、食文化を通じて深く描かれており、読者に対しても、伝統の大切さと同時に柔軟な対応の必要性を考えさせます。
「おせちと花嫁」は、家族や夫婦の関係を食文化という切り口で描いた深いエピソードです。伝統的なおせち料理を巡る対立が描かれる中で、山岡士郎の介入によって、伝統と現代の価値観の調和が図られます。このエピソードを通して、読者は日本の伝統文化の意味や重要性を再確認するとともに、家族の絆やコミュニケーションの重要性についても深く考えさせられます。
このエピソードは、「美味しんぼ」の中でも特に感動的で、日本の正月文化や家庭内の価値観の変遷を象徴する一篇です。